日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
よろこび法話 よろこび法話

#061
感謝の祈り

和歌山県和歌山市
安楽寺聖徒団団長
吉野俊幸

「ちゃんと、ありがとうって言った?」私が子どもによく言う言葉です。

知恩をもて最とし、報恩をもて前とす

日蓮大聖人「聖愚問答鈔」

「恩を知ることと、恩に報いることを一番大切にしなさい」という日蓮大聖人のお言葉です。

安楽寺に十年前に来られた、当時四十才の女性のお話です。

初めて来られたときは、仕事のことで悩んでいました。その女性は百貨店のアパレルショップで派遣社員として働いていましたが、上司と反りが合わず、仕事に行くのが辛い状況でした。話を聞くと、今までずっと仕事の人間関係が上手くいかず、転職を繰り返してきたとのことでした。そこで、今の職場を九識霊断法で鑑定した結果「今の職場は本来あなたにとって良い環境のはずです。これ以上の職場はなかなか見つかりませんので、転職を考えるのは少し待ってください。また、毎月お祈りして、仏さまに守ってもらいながらゆっくり進んでいきましょう」と指導し、倶生神月守を着帯するように勧めました。

それ以来、毎月の盛運祈願祭だけでなく、頻繁にお寺にお参りするようになりました。

しかし、半年経っても仕事の問題はなかなか改善しませんでした。霊断法では良い環境と出ています。私は「何か間違っているのだろうか。本来は良い環境のはず・・本人はそのことに気付いていないだけなのか。気付かずに不平不満だけが大きくなっているのだろうか。そうだとしたら、本人に足りないのは感謝の気持ちかもしれない」と思い、すぐに本人に伝えました。

感謝の祈り

それ以来、女性はお参りの時に、仏さまに感謝するようになりました。すると自然に仕事中も感謝の気持ちが芽生えてきて、人間関係が良くなっていきました。女性は「お祈りを始めてから、徐々に仕事に向き合えるようになれました。お守りさんと仏さまのお陰です。ありがとうございます」と言ってくれました。今でも感謝の気持ちでお参りを続けています。

倶生神(くしょうじん)さまは誰にでも

皆さまが着帯している倶生神月守は、倶生神さまという神様のお守りです。倶生神さまは大変に慈悲深い神様で、私たちが生まれてからずっと守ってくれています。老若男女、誰でもです。月守りを着帯しているかどうかに関わらず、誰にでもです。

感謝の祈り

しかし、月守りを着帯しているかどうかで大きな違いがあります。それは、倶生神さまが居ること、いつも守ってくれていることを知っているかどうかです。知っていると知らないとでは天と地ほどの違いがあります。何故なら、知っている人は、自然と倶生神さまに感謝の気持ちが湧き出てくるからです。これは大変に大きな違いです。感謝の気持ちで祈ることができると人生が変わっていきます。この気持ちを忘れないために、月守りを毎月交換して着帯を続けていくことが大切です。

知恩をもて最とし、報恩をもて前とす

月守りを着帯し、朝起きたら「今日も一日お守りください、南無妙法蓮華経」、夜寝る前に「今日も一日ありがとうございました、南無妙法蓮華経」とお祈りください。

そして小さなお子さまにも月守りの着帯を勧めて、こう聞いてあげてください。「ちゃんと、ありがとうって言った?」

※この記事は、教誌よろこび令和2年6月号に掲載された記事です。

イラスト 小川けんいち

pagetop

TOP