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日蓮大聖人の歩まれた道

「日蓮さきがけしたり。わたうども（和党共）二陣三陣つづきて迦葉、阿難にも勝ぐれ、天台、傳教にもこへよかし」
（種種御振舞御書）

私たちは大変なご縁をいただいて、お題目の不思議なご守護の力に触れ、誠の信仰の道へ入ることができました。そのお題目は、今からおよそ七五〇年ほど前に、日蓮大聖人さまが文字通りご自身のお命を掛けて、たった一人で初めてお唱えになったものです。それはこれをお読みの聖徒さんならば、ほとんどの方がよくご存じのことでしょう。

日蓮大聖人さまは、ご自身が「さきがけ（魁）」であると仰せです。そして私たちが二陣、三陣とその後を追うことを望まれています。それはつまり、お題目によって「救われた者」が、今度はご自身と同じように、お題目を伝え、弘め、「救う者」となれとのご教示なのです。

そのためには、まずは日蓮大聖人さまがどのような思いでお題目を遺されたのか、そのみ心を知らなければなりません。

日蓮大聖人さまとて、お生まれになったその日から、お題目をお唱えになられたわけではありません。もちろん甚々なるご使命をもって世に出現されたことに間違いはありませんが、私たちと何ら変わらず人としてこの世にお生まれになり、ご成長の中でたくさんの教えを学ばれ、ある時は悩み、またある時は苦しみ、ついにお題目の信仰に到達されました。そして大変な迫害の中で、一人また一人とお題目を伝え弘めていかれたのです。

私たちがそのご一代を追体験させていただくことによって、日蓮大聖人さまが見つめておられた大切な何かを学ぶことがきっとできるでしょう。七五〇年の昔に思いを馳せ、日蓮大聖人さまが歩まれたその道程を一歩一歩たどりながら、私たちも日蓮大聖人さまと同じ思いを抱くことができれば・・・、そんな願いを込めて、皆さんと一緒に日蓮大聖人さまの歴史を紐解いてゆきたいと思います。