日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
法華経のお話 法華経のお話

#038
無量義経の段その八
(一)

来たのは誰だ

大比丘衆萬二千人倶。菩薩摩訶薩八萬人。天龍夜叉乾闥婆阿修羅迦樓羅緊那羅摩羅伽諸比丘比丘尼及優婆塞優婆夷倶。大轉輪王小轉輪王。金輪銀輪諸輪之王。國王王子國臣國民。國士國女國大長者。各與眷屬百千萬數而自圍遶。來詣佛所頭面禮足遶百千匝。焼香散華。種種供養已。退一面坐。

無量義経 徳行品第一

来たのは誰だ

まず紹介されるのは大まかな六つのグループ、すなわち、

大比丘衆万二千人と倶なり

無我の境地を極めたお釈迦様の高弟二千人。

菩薩摩訶薩八万人あり

人々を佛教に導き救わんと励み続ける高級神霊八万人。

天、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩羅迦あり

天界の神々や地球にすむ様々な鬼神龍神。

諸の比丘、比丘尼及び優婆塞、優婆夷も倶なりき

出家在家の弟子たち。

大転輪王、小転輪王、金輪、銀輪、諸輪の王

世を総","す">べる偉大なる支配者たち。

国王、王子、国臣、国民、国士、国女、国大長者

そして様々な階層にわたる俗世間の人々、いわば普通の人間たちです。

ご存知のように本編たる妙法蓮華経の第一章(序品第一)でも、聴聞者たちの紹介がありますが、そこでは最後の二グループ、転輪王(てんりんおう)たちと俗世間の方々が言及されていません(あとで「及諸小王転輪聖王等」と語られるだけです)。

本編だけでいえば、この二グループは法華経メインの場に、特筆するほどの数は参加してなかったんだと言われかねません…。

この仲間はずれの危機から彼らを救うのが、開経たる無量義経です。

なぜならば序品第一はお釈迦様が無量義経を説き終えて、深い瞑想状態に入られている処から始まります。

つまり妙法蓮華経は無量義経からそのまま連続しているのであり、聴聞者たちも当然!引き続き参加しているわけです。

故に当然、転輪王たちも普通の人たちも法華経メインの場に多数参加している…ただ、本編では(より主題にスペースをさくために)省略されている…それを無量義経のこの経文が教えてくれているのです。

そして(いくら省略されたとはいえ)彼らが参加していることにも、重要なる意味があるのです…。

塩入幹丈

元霊断院主任

福岡県妙立寺前住職

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