佛教では私たちのこの宇宙は、無から誕生し、命が満ち溢れていくことで発展し、やがてだんだんと衰退し、遂に火と水と風の三つの災害(三災)で滅びさるといいます。
しかもそれで終わりではなく、滅亡後の無から、また宇宙は誕生します。
つまり誕生、発展、衰退、滅亡の四つの段階(四劫)を一サイクルとし、無限に繰り返えされていくと考えるのです。迷える命が無限に輪廻転生を繰り返すのと同様、迷いの世界たる宇宙も生滅を繰り返すわけです。この地球も宇宙と共に生滅を繰り返すわけで、その一サイクルの間に地球に出現される佛様は総勢3千名とされます。
今の私たちの宇宙においては、お釈迦様は千四人目の佛様とされます。
故に前後にこれほどの数の佛様が登場するわけです。しかも、これは前述通り、ただ一サイクルだけの話。宇宙は四劫を無限に繰り返すわけですから、過去にも未来にも三千×無限の数の佛様がいますこととなります。文字通り数えれない人数の佛様!これが意味すること、それは佛教とはただ印度のお釈迦様が考え付いたもの、発明した等といった、単なる宗教、精神文化ではないということ。つまり佛教の本質は、時を超えて存在するもの、宇宙を貫く根源的な真理だということです。
さらに数多の佛様が出現し続けるということ。その佛様たちの背後に、常に皆を救わんとする大いなる意志の存在が示唆されてもいるのです。
元霊断院主任
福岡県妙立寺前住職