日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
法華経のお話 法華経のお話

#015
無量義経の段その二
(二)

過去七佛

佛教とは印度のお釈迦様から始まった宗教。普通はそう思う処でしょう。確かに五千年にもおよぶ地球の文明史上、お悟りを開かれ佛様となられた方は、印度のお釈迦様ただお一人です。

しかし佛教は説きます。五千年よりも遥か過去から文明は存在し、その失われた歴史の長き流れの中で、代々お一人ずつ、合計六人の方が悟りを開いて佛様と成られたと…。

すなわち毘婆尸佛様(びばし)・尸棄佛様(しき)・毘舎浮佛様(びしゃぶ)・倶留孫佛様(くるそん)・拘那含牟尼佛様 (くなごんむに)・迦葉佛様(かしょう)の六人です。この六人の佛様とお釈迦様の七人が、最も最近(といっても数万年以上のスパンですが)この地上に降臨された佛様。お釈迦さまもすでに入滅(お亡くなりになること)されたので、合わせて過去七佛とお呼びします。

三歳の子供でも知ってはいるが、実行するのは八十の老人でも難しいことで有名な、あの七佛通戒偈。

諸悪莫作(もろもろの悪を作さず)衆善奉行(もろもろの善を行い)自浄其意(自らのこころを浄めよ)是諸佛教(是がもろもろの佛の教えなり)は、この七人の佛様の教えに共通する、佛教の大事な教えということです。

しかもお釈迦様より過去の佛様はこの六人だけではありません。七人中一番古い毘婆尸佛様のさらにその前には、なんとなんと九九七人の佛様が順々に出現されたといいます。

未来に目を向けると、その数はさらに膨大です。遥か遥か遠い未来の世には、弥勒佛様をはじめ一九九六人の佛様が登場するそうです。

塩入幹丈

元霊断院主任

福岡県妙立寺前住職

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