迹仏たるお釈迦様の説く教えは無イコール空の教えです。
空とは、万物は全て「永遠の真理」がさまざまな因縁によって一時的に顕現したもの、因縁によって絶えず変化していくが、その本質は平等なる真理だという考え方です。
万物の背後の真理を重視する教えです。
この空の立場に立てば全ては平等であり、「だれもが皆、仏様となれる」わけです。
しかし迹門のお釈迦様は印度の寿命ある仏様です。
教えは永遠の真理であっても、仏様自体は有限の無常の存在では悟ったところで寿命尽きれば意味もありません。
迹門の教えは未だ本当の救いとはなりえないのです。
対してご本佛たるお釈迦様は「永遠の命」を説きます。
ご本佛様だけが永遠なのではありません。
永遠の仏様の命は万物に宿るもの、絶えず変転する万物のその時その時に、全て仏様の命が現れているのです。
教えが永遠であると共に、全ての命も永遠である。
ここにはじめて真の救いが訪れるのです。
元霊断院主任
福岡県妙立寺前住職