日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
法華経のお話 法華経のお話

#009
無量義経の段その一
(三)

無量の義(ただ)しきこと

「無量義経」の無量とは、俗に八万四千、つまり数え切れないほど膨大な数にのぼるお経のことであり、義とはそれぞれのお経に説かれた義(ただ)しい教え、真理を意味します。

仏教の教えは膨大にして無量のごとし。されど、その数多の真理は全て、ただ一つの最高の真理から発生したもの…。

それぞれの真理は最高の真理の一部、断片に過ぎず、仏教の真の全貌は全く説かれていないと「無量義経」は解き明かします。

その最高の真理を説くお経こそが、「無量義経」の後に控える「妙法蓮華経」。

「無量義経」はそれまでの仏教の教えから、皆を「妙法蓮華経」へと橋渡しする役割を持つわけです。

無量ともいえる数の真理(義)の立場を明らかにし、「妙法蓮華経」へと導くお経…故に無量義経と名付けられるわけです。

さらに無・量・義の三文字それぞれにも、実はあとの「妙法蓮華経」の内容が暗示されたものとなっているのです。

塩入幹丈

元霊断院主任

福岡県妙立寺前住職

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