日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
法華経のお話 法華経のお話

#006
大聖人様からの宿題

ここに至ってついに大聖人様は、既存の佛教の範囲を超えて見えない領域のお経をも含めた、巨大なる佛教体系を三分に振り分けに挑戦されるのです。

私たちにとっての佛教とは、印度のお釈迦様から開始された教え。されど法華経はじめ幾多のお経には、それ以前からのお経、ここ以外のお経の存在が説かれています。そう、佛教は私たちのすんでいる宇宙の誕生以前にあった過去無数の宇宙、逆に未来の無数の宇宙、さらには今現在に他の次元に存在する無数の宇宙の存在が説かれているのです。

物質的世界だけではありません。神々や魔神、龍神、鬼神という神霊の世界もお経は説きます。そしてこれら私たちには見ることもふれることもできない世界にもあまたのお経が存在すると説かれているのです。

大聖人様は印度以来のお経は勿論、これら見えない世界のお経も全てまとめて、妙法蓮華経の序分であると位置付けられました。なぜならば超過去や超未来が存在すること自体、神霊の世界が存在すること自体が、あらゆる時代のあらゆる世界にまします本当の佛様の存在あってのことであり、それら全ての世界を救える普遍の教えは、妙法蓮華経のお題目以外にありえないからです。

序分…全ての時間と世界に存在する全てのお経
正宗分…一品二半の心たる妙法蓮華経

ただし大聖人様はあえて最後の三分の実践編たる流通分だけは、ご教授くださいませんでした…それはいったい何なのか…なぜお教えくださらなかったのか…

その意味を考え、お題目の拡散と永続に励むことこそ、私たち大聖人様の宗教、日蓮佛教を承継するもの皆の務めだといえます…

そのためにも、法華三部経の全容をさぐり、「全ての命は佛様になれる」と「本当の佛様」の二つの大テーマ、そしてその究極の教えたる「一品二半の心たる妙法蓮華経のお題目」のことを共に学んでまいりましょう…

それでは今回はここまで。ながいおつきあいとなりますが、どうぞ今後ともよろしく…

塩入幹丈

元霊断院主任

福岡県妙立寺前住職

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