日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
法華経のお話 法華経のお話

#003
誰もが佛様になれる

先ずはじめに、膨大なる数のお経全部をひとまとめとしたうえで、これを三分に振り分けます。

  • 序分…法華三部経と涅槃経を除くそれ以外の全てのお経。華厳経・阿含経・般若経・浄土経・大日経等々…
  • 正宗分…法華三部経十巻(無量義経一巻・法華経八巻・仏説観普賢菩薩行法経一巻)
  • 流通分…涅槃経

佛教とは悟りを開く=本当の幸せの境地に到達されたお釈迦様が、皆もご自分と同じ幸せになれるように開かれた教え。ゆえにお経とは本来、皆が佛様になることが説かれているはずです。

ところがほとんどのお経には、その当然なことが説かれていません。

あるお経は佛様になれるのはごくごく一部のみと説きます。又、あるお経は女性や悪人は佛様になれないと説きます。

あるお経は佛様になることは棚上げし、二度と現世に生まれ変わらずにすむための修行が説かれます。あるいは又、この世をすてて別の次元に移動するためのお経もあります。

膨大な数を誇るお経の、その殆どは、さまざまな方法で佛様の教えと縁なきものたちを導き、その魂のレベルを上げていく方法は説かれています。

しかし肝心要のこと、誰もが皆、佛様になれるということが説かれていないのです。

その肝心なことが説かれているお経。それこそが、我らが法華経八巻、さらにその前篇たる無量義経一巻と後編たる観普賢菩薩行法経一巻、合わせて十巻、すなわち法華三部経十巻だけなのです。

ゆえに全てのお経の中では法華三部経こそがメインの正宗分であり、その他のお経は皆、その前座、序分となるのです。

更に正しい教えを信じ行う者の身の処し方、心構えを説くお経涅槃経は、法華三部経を拡散させ存続させ続けるためのマニュアルとなることから、流通分にあたるとされるのです。

次に大聖人様は正宗部たる法華三部経に更に三分を当てはめられます。

すなわち

  • 序分…無量義経一巻と法華経の序品第一。
  • 正宗分…方便品第二から分別功徳品第十七の前半まで。
  • 流通分…分別功徳品後半から普賢菩薩勧発品第二十八・仏説観普賢菩薩行法経一巻

法華三部経の正宗分が示されることで、そこには二つの大きなテーマがあることが浮き彫りにされます。

一つは先の「全ての命は佛様になれる」ということ…そして今一つが「本当の佛様」についてです…

そこで大聖人様はこの二つのテーマを対比させるため、あえて法華三部経を前半と後半の二つに分けたうえでそれぞれに三部に振り分けられます。

まず無量義経一巻から安楽行品第十四を前半とし、これを

  • 序分…無量義経一巻・序品第一
  • 正宗分…方便品第二から授学無学人記品第九
  • 流通分…法師品第十から安楽行品第十四

次に従地涌出品第十五から仏説観普賢菩薩行法経一巻までの後半を

  • 序分…従地涌出品第十五前半
  • 正宗分…従地涌出品第十五後半・如来寿量品第十六・分別功徳品第十七前半までの一品二半
  • 流通分…分別功徳品後半から普賢菩薩勧発品第二十八・仏説観普賢菩薩行法経一巻

とします。

塩入幹丈

元霊断院主任

福岡県妙立寺前住職

pagetop

TOP