法華経のお話

第33話 無量義経の段 その六(三)悪に強ければ…

西遊記と封神演義。それぞれの霊鷲山の縁起談に共通ポイント。それは霊鷲山の主は本来は魔物だったということです。

以前ご紹介した斑足(はんそく)王の説話でも霊鷲山は人食い鬼である羅刹(らせつ)の巣窟であったとされます。

魔物の山がなぜ大事な説法の場所となるのか?疑問に思うところでしょう。

しかし実は悪の強い処だからこそ、佛様はここをお経を説く場所とお選びになられたのです。

法華経のご祈祷の中心となる鬼子母神は、元々は子供を喰らう鬼女だったことは有名です。大黒天も本来は血肉を喰う破壊神。三十番神の七日担当の天満宮は元は怨霊の神、同じく二十四日の祇園大明神も疫病神です。

そう、実は篤い信仰を集める神様には本来恐ろしい、怖い神様がおおいのです。マイナスパワーが強いほど、それがプラスに転じれば強烈なご守護となってくださるというわけです。

霊鷲山もまたしかり。鬼神や魔物が巣くう恐ろしい地であるからこそ、そこに佛様がご鎮座されることで、逆に尊い霊地となるわけです。

塩入幹丈

元霊断院主任
福岡県妙立寺前住職


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