日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
よろこび法話 よろこび法話

#075
法華経と倶生神のご守護
九識霊断法で救われた命

神奈川県小田原市 本典寺聖徒団団長
霊断師会連合会 神奈川県会長
戸田教栄

皆さんはすでにお題目の信仰の方であります。完全調和の大自然の中で、仏さまからの、大いなる慈愛を受け取り、自分の襟を正し菩薩行を実践する人です。

皆さんがお題目信仰に精進し、「一人でも多くの人を幸せにしてあげたい」と云う思いが、各地の聖徒団活動への支えになっています。人類は有史以来、永遠の生命と病気の克服と豊かな生活を求めてそれぞれの分野で研究を重ねて来た結果、世の中は物が豊富で楽な生活が営まれるようになりました。ところが社会全体が便利になっていく中で、人々は本来の心を失いました。その濁った心を取り戻し、皆が幸せになる方法が六波羅蜜と言う生活の中で出来る修行です。

布施

思いやりの心 人に奉仕する生活

持戒

生活を正す心 人の道を守る

忍辱

受け入れる心 苦しみに耐え道を開く

精進

続ける心 たゆまぬ努力

禅定

集中する心 心静かな落ち着き

智慧

心を磨く 仏道に目覚め正法を学ぶ

法華経と倶生神のご守護 九識霊断法で救われた命

お釈迦様が私たちに、仏になる方法として御示しになったことは、超能力を身に着けることでも、一人修行をすることでもありません。皆が同じ佛性を持ち寿量御本佛との一体であることを体感し、人の振舞いの中に佛としての働きを現すことであります。口で言うは簡単ですが、実行する事は、なかなか難しいものです。しかし、そこにお題目の信仰をプラスすれば、菩薩としての行いを身に現す事ができます。そこに仏様の世界(彼岸)が現われます。

法華経にはどのような境遇にある人でも、老若男女の差別なく寿量御本佛の護りにより、必ず救われると説かれています。

誰かが法師を憎んで刀杖や瓦石で暴行を加えようとするなら、変化の人を遣わして、法師のために護衛させよう。

妙法蓮華経法師品第十

日蓮大聖人は當木常忍氏に差し上げたお手紙で「私が去年の九月十二日の夜中に竜の口にて、危うく断罪の危機を脱れたのは仏の守護である。あなたがたはこの事を決して疑ってはならない」と御示しになられました。

ある年の夏、静岡にお住いのTさんが来寺されました。Tさんは二十年前に九識霊断法で救われた一人です。話によると、昨日仏壇にお参りをしていると老婆の影が見えた。どこかで見た顔だけど思い出せない。その翌日、嫁に出た娘より電話があり、夫が会社の健康診断で胸部に異常があるとの診断を受け、専門医を紹介され、再検査の結果は悪性肉腫の疑いありとのこと。早速、俱生神さまにお参りし如法に霊断を行った。

その答えは、肉腫は悪性ではない。また、古い仏像か人形の霊の障り、先祖供養の滞りがみられた。尋ねると心当たりは無いという。後日娘さんに聞くと「あ、もしかしたら有ったかも」とのこと。

法華経と倶生神のご守護 九識霊断法で救われた命

Tさんの娘さんは東京在住の夫と結婚し義母と同居したが、その後千葉へ転勤になり姑と別居した。数年後に姑が亡くなったが、兄妹との相続があり夫の実家を売却した。その時に古い仏壇と見たこともない人形があったが、誰も引き取り手がなく業者に処分してもらったと言う。早速、Tさんと娘さん家族に来寺してもらい、俱生神月守を着帯し、懴悔文を読みお題目を唱えて、姑の霊と先祖の霊に施餓鬼供養を行った。また、改めて人形供養もおこなった。すると不思議なことに夫の胸のしこりが消えた。医師は不思議だという。人形に残されていた姑の思いが法華経とお題目の供養で成仏したのです。その後、娘さん家族は新しい仏壇を購入し、お題目を唱えて幸せに暮らしています。

Tさんの縁により娘家族が一心にお題目を唱え懴悔し供養することにより、夫の命と亡くなった人の魂を救ったのです。さらにこの不思議な体験が孫への信仰の継続となるのです。

※この記事は、教誌よろこび令和3年8月号に掲載された記事です。

イラスト 小川けんいち

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