日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
よろこび法話 よろこび法話

#042
倶生神と盛運祈願会について

東京都 感通寺聖徒団団長
新間 正興

昨年の正月に不思議な体験をしました。夜寝ていると金縛りのように体が動かなくなり、非常に寝苦しくなりました。それだけではなく、心臓がドキドキし、どうしたら良いのか分かりませんでした。その日は一月八日の盛運祈願会が終わった夜で、普段なら寝つきが悪いという事は一切なく、その日に限っての出来事でした。苦しい中ふと横を見ると白いボヤーっとしたものが浮かんでいました。何だろうと思っていると、その白いモヤは消えていきました。次の夜にも同じことが起こりました。何があるのだろうと思いながら、翌朝の朝勤を行っていると、当山のお稲荷さんの扉が開いていたことに気付きました。普段なら夕方に閉めておくのですが、忘れてしまい、寒い中お叱りのために現れたのだろうと感じ、すぐに、揚げ・酒・塩・水・米をお供えし法味言上を行いました。

その日の夜は、何事もなく眠りにつくことができました。不思議に怖いという感情はなく、きちんとお給仕しなければいけないと改めて教えていただきました。

神様の中には道場神と呼ばれている神様がいらっしゃいます。道場神とは、寺院によってお祀りされていて、大古久様・鬼子母神・摩利支天・七面大明神等、様々な神様がいます。私たちがお寺に通い、信仰することによってご守護をいただくのです。道場に通いご守護をいただく事が出来るので道場神と言います。

倶生神と盛運祈願会について

それらの神様には役割があります。仏様〔本仏〕の教えを伝えるために、幸福、縁結び、厄除け、土地を守る等、その人が必要とされるように姿・形となって顕れているのです。

私たちが信仰しているのは、倶生神です。読んで名の如く、倶に寄り添い生きている神様です。いわゆる自分専属の神様であり、ボデイガード・SPのような存在です。そして道場神のご守護は倶生神を通して、お護りいただけるのです。その倶生神の力の源となるのが、日々の南無妙法蓮華経とお唱えする信行にあるのです。

自分自身の護りを強くするためには、しっかり月守りを着帯することと、お唱えすること、さらには毎月の盛運祈願会に参加し、倶に生きている仲間と修行を共にすることが大切です。

一人の力というのは限界があります。大きな岩を動かすには、一人だけではなく大勢の力を必要とします。どんなに大きな岩でも、一人一人が力を出し合えれば、一+一が二ではなく、十にも百にもなっていくのです。そこにご利益が生じるのです。ですから、勝利という字は、目標に向かって祈ることによって勝れたご利益を生じるという意味があるのです。

倶生神と盛運祈願会について

また開経偈に「見聞触知・皆近菩提」とあります。「見」というのは自分が見るのもそうですが、仏さまから自分を見てもらう、見つめなおすこと。一カ月の自分がどうであったかを、仏様と一緒に見つめることです。「聞」というのは、人が唱えているお経の声を聞くことによって、毛穴からお経が入り、心身共に清浄になるのです。「触」というのは「ふれる」ということ。お経に触れ、また色々な人との出会いの中で「法」に触れていくこと。そこに幸せを感じ、気付くことにより、改めて縁によって生かされている悦びに触れることです。「知」というのは、知ること。法話や他の聖徒さん同士の色々な話、「よろこび」を手に取って教えを知ること。これによって一人ではない、正しい信仰を行じていることを知るのです。

ここから、またお題目を声高らかにお唱えすることによって「九識の霊境をひらいて、凡仏一如の不可思議をあらわす」(信行聖典)の如く、自分自身が仏としての働きを実感し、社会に家庭に生きていくのです。ここに必ず倶生神の護りがついてくるのです。

※この記事は、教誌よろこび平成30年7月号に掲載された記事です。

イラスト 小川けんいち

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