日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
よろこび法話 よろこび法話

#030
一人で悩まずに九識霊断法

東京都霊断師会会長
東京都新島村 長榮寺聖徒団団長
光枝 浩生

私は、東京から南へおよそ百六十キロ、伊豆諸島のほぼ中心に位置する新島長栄寺住職、聖徒団の団長をしております。生まれは茨城ですが、縁あって新島に行きました。長栄寺聖徒団には三人の霊断師がおりましたので、必然的に私も霊断師になりました。

霊断師になって良かった事は、的確な指導が出来るという事です。まだ、霊断師になっていなかった時は、経験の無いこと、知識の無いことを相談された時に、自分では答えられず、また誰かに相談するということがありました。僧侶として、布教どころか答えられないことに反省するばかりでしたが、霊断師養成講習会を受講し終えるとその悩みは無くなりました。

講習会では、日蓮大聖人の精神や思想、法華経の教えを基礎から細かく学び、その後九識霊断法の勉強になります。聖徒の皆さんの役に立てる僧侶になる為に、お題目を弘める為に、朝早くから夜中まで仲間たちと共に学び、先生方の熱い講義の中、責任と使命感を持つことができました。

ある夫婦の信仰体験

私が霊断をして、最初に自信を持てたのは、自分の入寺式の日を決める時でした。島ということもあり、天候が一番気になります。島に来られる方、お稚児行列などありましたので、三月と四月の日曜日のすべてを霊断しました。結果、四月二十八日立教開宗のご聖日に決定しました。この霊断は半年前に行い、総代、世話人に対して「当日天候が悪ければ、お坊さんを辞める覚悟です」と宣言をしました。全員苦笑い、「半年も先の日のお天気が解るのか」と半信半疑の様でしたが、私の声に本気さを感じたのか、それからは、協力的になって下さいました。

結果、当日、天候に恵まれ無事入寺式を奉行することが出来ました。終わったあと、役員さん達と笑いながら「坊さんを辞めなくって良かったネ」と言われ喜んだことを思い出します。

日蓮大聖人は、

云う事の 後にあへばこそ 人も 信ずれ

乙御前御消息

とお示しでございます。

九識霊断法の神秘おかげで、お稚児さんたちが笑顔になったのと同時に、私自身も檀信徒のみなさんに受け入れていただき、関係が深まる有り難い機会となりました。

どうぞ全国の聖徒の皆さん人生には必ず活路があります。一人で悩まずに仏さまにご相談してください。皆さんの聖徒団の団長上人は私と同じように九識霊断法の修行を修めた霊断師です。

小さなことでも良いので、皆さんの聖徒団の団長上人に九識霊断法をお願いしてみてください。

みんなで倶生神月守を着帯してお題目を日々唱え、安心立命の信仰生活を送ってまいりましょう。

※この記事は、教誌よろこび平成29年5月号に掲載された記事です。

イラスト 小川けんいち

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